医学物理士の知識を「読み物」として楽しむシリーズ。 第9問目は、放射化(核反応)のプロセスについてです。一見難しそうな方程式ですが、ルールさえ分かれば実はとてもシンプル。パズルのように解いていきましょう。

今日の英文クイズ (The Question)

Question: Given the following activation equation, what is the missing atom? 4He + 14N = ____ + 1H

A. 18C

B. 16O

C. 17O

D. 18O

E. 18F


日本語訳とキーワード

「次の方程式において、空欄に当てはまる原子は何?」

  • activation equation: 放射化の方程式(核反応式)。
  • missing atom: 足りない原子。
  • nucleons: 核子(陽子と中性子の総称)。
  • conserved: 保存される(反応前後で総数が変わらないこと)。

答えと解説 (Answer & Explanation)

正解は C.17O(酸素17) です。

核反応の方程式を解く鍵は、「左側(反応前)と右側(反応後)で、数字の合計が同じになる」というルールです。チェックすべき数字は2つあります。

1. 核子数(上の数字:質量数)の合計

反応前(左側)の合計:

  • 4 (He) + 14 (N) = 18

反応後(右側)も合計18になる必要があります:

  • [ ] + 1 (H) = 18
  • つまり、空欄の原子の質量数は 17 になります。

2. 陽子数(原子番号)の合計

反応前(左側)の合計:

  • ヘリウム(He)は2番 + 窒素(N)は7番 = 9

反応後(右側)も合計9になる必要があります:

  • [ ] + 水素(H)は1番 = 9
  • つまり、空欄の原子は 8番 になります。

原子番号8番といえば……そう、「酸素 (O)」ですね! 質量数17で酸素なので、正解は 17O となります。


ひとこと(ブロック遊びのルール)

4 + 14 = 17 + 1

2 + 7 = 8 + 1

原子核の反応は、まるで「レゴブロック」の組み換えのようです。 反応の前後でブロックの総数は増えたり減ったりせず、ただ組み合わせが変わって別の形(原子)になっただけ。

今回登場した「4He + 14N -> 17O + 1H」という反応は、実は1919年にラザフォードが世界で初めて「人工的に元素を変換させた」歴史的な実験でもあります。窒素にアルファ線をぶつけたら酸素に変わった……そんな科学の歴史に思いを馳せると、ただの計算式も少しロマンチックに見えてきませんか?

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コテツム
「物理の教科書、日本語なのに意味不明」と絶望した経験から、世界一わかりやすい放射線治療の解説を目指してブログを書いています。 天才肌ではないので、凡人がどうやって知識を定着させるか、その「泥臭い攻略法」をシェアします。
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