【ABR 2024-No. 9】原子核の足し算!核反応の方程式をマスターしよう
医学物理士の知識を「読み物」として楽しむシリーズ。 第9問目は、放射化(核反応)のプロセスについてです。一見難しそうな方程式ですが、ルールさえ分かれば実はとてもシンプル。パズルのように解いていきましょう。
今日の英文クイズ (The Question)
Question: Given the following activation equation, what is the missing atom? 4He + 14N = ____ + 1H
A. 18C
B. 16O
C. 17O
D. 18O
E. 18F
日本語訳とキーワード
「次の方程式において、空欄に当てはまる原子は何?」
- activation equation: 放射化の方程式(核反応式)。
- missing atom: 足りない原子。
- nucleons: 核子(陽子と中性子の総称)。
- conserved: 保存される(反応前後で総数が変わらないこと)。
答えと解説 (Answer & Explanation)
正解は C.17O(酸素17) です。
核反応の方程式を解く鍵は、「左側(反応前)と右側(反応後)で、数字の合計が同じになる」というルールです。チェックすべき数字は2つあります。
1. 核子数(上の数字:質量数)の合計
反応前(左側)の合計:
- 4 (He) + 14 (N) = 18
反応後(右側)も合計18になる必要があります:
- [ ] + 1 (H) = 18
- つまり、空欄の原子の質量数は 17 になります。
2. 陽子数(原子番号)の合計
反応前(左側)の合計:
- ヘリウム(He)は2番 + 窒素(N)は7番 = 9
反応後(右側)も合計9になる必要があります:
- [ ] + 水素(H)は1番 = 9
- つまり、空欄の原子は 8番 になります。
原子番号8番といえば……そう、「酸素 (O)」ですね! 質量数17で酸素なので、正解は 17O となります。
ひとこと(ブロック遊びのルール)
4 + 14 = 17 + 1
2 + 7 = 8 + 1
原子核の反応は、まるで「レゴブロック」の組み換えのようです。 反応の前後でブロックの総数は増えたり減ったりせず、ただ組み合わせが変わって別の形(原子)になっただけ。
今回登場した「4He + 14N -> 17O + 1H」という反応は、実は1919年にラザフォードが世界で初めて「人工的に元素を変換させた」歴史的な実験でもあります。窒素にアルファ線をぶつけたら酸素に変わった……そんな科学の歴史に思いを馳せると、ただの計算式も少しロマンチックに見えてきませんか?
